ポンプはやっぱりスクイズ式!

久しぶりのUTSUROI現場リポートです。
さて現場はいよいよコンクリートの打設です。
鉄筋を配置した壁を型枠で囲い、固めていきます。

そしてその型枠の中にコンクリートを流し込みます。
こうして鉄筋コンクリートの建物は作られていきます。

ところでこのコンクリート、どうやって打設(だせつ:コンクリートを型枠に流し込むことを打設といいます)するかといえば、「ポンプ車」という重機です。

↑※参考画像※↑

 

生コン車(ミキサー車)からコンクリートを受け取って圧送するための重機です。

ここで今回の題名。
「ポンプはやっぱりスクイズ式!」
圧送方法にはポンプ車には「ピストン式」と「スクイズ式」があります。

スクイズ式とはは、ポンピングチューブと呼ばれる円筒形の筒を回転式のローラーで絞ることによりチューブ内のフレッシュコンクリートを送り出すタイプのポンプです。

ムダが少なく、送ったり、吸い戻したりすることができるのがスクイズ式です!

性能は優れていますが、比較的圧層能力が低いので低層の現場で使用します。
比べてピストン式は圧送能力に優れるので高層階の現場で使用されます。

という訳で今回の現場にもスクイズ式のポンプ車です。
ポンプ車のオペレータと打ち合わせして打設する場所に順番をつけて準備します。
今回の現場ではブームがほぼ動かせないので建物の中を配管してフレキ管で打設します。

コンクリートはドロドロして流れにくいものです。
ここでコンクリートを流動化する道具があります。その名も「バイブ」
細長いバイブを突っ込んで振動させるとコンクリートが流動化します。

↑※参考画像※↑

 

今回は壁に当てて振動させる「壁振動バイブ」も併用します。

↑※参考画像※↑

 

振動を与えるのは流動化させるのももちろん意味ですが、本当の意味は振動でコンクリートの中の空気を外に出して締め固めることこそが重要です。
良いコンクリートになるようにバイブをかけ、私は隅々までコンクリートが充填されているかを確認します。

大変な重労働です。現場10人で臨みました。
木造の棟上の気持ちで作業。
耐震補強に終わりが見えてきました!

これからは内外部の工事に入っていくことになります。
引き続き頑張ります!

 

 

 

 

余談
私が大学を出て社会人1年目。
現場監督として初めてコンクリート打設した日です。
何もわからずにバイブをかける場所を職人に指示して大失敗。
とび職の親方に(その現場ではコンクリ打設の作業主任はとび職の親方でした)こっぴどく叱られます。
「おい若造!何してんだオメはよぉ!(関東の人です)あんまり下手ばっかりこくならオメのケツの穴からバイブ突っ込んで奥歯ブルブル言わせてやろうか!」

すみません汚い言葉で。
私の人生で一番怖い説教話でした。笑

栓(せん)をもむ

 

 

町内のとある店舗の若社長からのご相談。

「扉に穴ができちゃったんだけどどうしたらええすか?」

扉を交換するのが一番良いけど・・・(笑)

「とりあえず木で埋めておきましょうか?」

「そんなんできるんすか」

大工の技術ではごく一般的なことですが

(DIY上級者もダボでビス頭を隠す栓したりするようですが)

気にしてみないと、実は気づかない仕事なのかなと思いながら。

まずは穴の大きさを測ります。

残念ながら穴が大きく栓を作る工具では作れないことがわかりました。

しかも建具は柾目(要するに縦ストライプ)です。

工場で柾目の木材を探して、専用の栓をこしらえます。

ざっくり丸く削りだして、電気のヤスリをかけて形を整えます。

電動ヤスリでコゲてしまうのでサンドペーパーで仕上げ。

専用の栓ができました。

 

現場に行って、木目を合わせて栓を貫通孔に打ち込みます。

打ち込んだらノコギリで余分な部分をざっくりカットします。

ノミで建具の面(ツラ)に合わせて丁寧に栓をそぎ落とします。

建具は溝のあるデザインなので栓にもノコギリでミゾを掘ります。

ペーパーかけて出来上がり。

色が違うのが気になるところですが、下手に塗装すると美しくないし、日焼けの仕方も変わっていくのでそのままにしました。

徐々に馴染んでくれると良いのですが。

若社長が「おーすげー!意外と目立たなくなった」

と言ってくれたのが嬉しかったです。

 

我々の当たり前の作業も、一般の人はしらないかもしれない、伝わらないかもしれない。

細かいことですがこういうことを常に心に留めてお客様と打合せするようにしないと!と改めて思いました。

 

余談

実家の遊技場の看板の蛍光灯を交換しました。

イマドキみかけない、作りつけの看板。

たしかにこれ自体には価値があるわけではありません。

でもメーカー品よりも、やはり味わいがあります。

なんでも既製品に逃げないようにしないと。

そう思った今日この頃でした。