大雨が終わると梅雨が明け、酷暑が続きます

 

まずは西日本大雨による災害にあわれて亡くなった方のご冥福をお祈りす
ると共に1日も早い被災地域の復興をお祈り申し上げます。
私としても微力ではありますが何かできることをしていきたいと思います 。

さてお話を戻します。
本当に暑い日が続いています。
7/20日の豊岡市は全国で一番暑く、38.9℃を記録しました。

暑い中での建築作業。本当に危険です。
もちろん脱水症状や熱中症が怖いのですが、それに伴って「倒れる」こと
が一番危ないのです。
建設現場は木材、鉄材、尖ったものや工具があります。
ウマ(脚立)の上からたった1mの高さでも命に関わることがあります。

現場の職人さんも高齢化が進んでいることもあり、2日に一人くらい不調
を訴える方も・・・。もちろん命が大切なので帰って休んでもらうことにし
ます。

ところで現場の対策と言えば、瓦屋さんは麦わら帽子!


本当に良くできていて、日差しを遮り通気が良い帽子です。
麦わら帽をヘルメットに仕込む方もいらっしゃいますね。

そして最近では当たり前になってきたのは「空調服」です。
この暑いのにナイロンジャケットを着ている割腹の良い方。
ほぼ空調服です。


ファンがついていて、バッテリー駆動で服の中に空気を送ります。
扇風機の涼しさ、というよりはかいた汗の気化熱で涼を得ていると思って
もらった方が良いでしょうか。

建設業以外の方はあまりご存知がないようで驚きました。

最近のユルキャラもこの送風方式が多いので、職人さんによってはさながらユルキャラのようです。笑

 

 

 

とはいえ、大昔から建設現場には抜本的な対策はありません。
鉄板敷いた現場では目玉焼きを作ることもできますし、コンクリートを打
設した後は硬化するときに熱を発するので40℃越えは当たり前。
城崎の工事では木造3階や小屋裏での作業は驚異的な暑さです。

何か良い方法がないものでしょうか?
とにかく現場の方たちの様子を見ながら作業を進めたいと思います。

畳のお話

先週、氏神様である城崎温泉の中心に位置する「四所神社」からご依頼を受けて神社各所の修繕を行いました!

まずは社務所の踏込の床がダワダワするということでチェックします。
畳は随分と年数が経過しています。
その下地は五分板。
(五分=約15mmの板ということで、畳の下としては一般的です)

畳の下に湿気取りの新聞が敷かれていました。

日付は昭和56年。

38年も前の畳。

さすがにヘタって当然です。

調べ進めるとどうやら、畳の下の板は腐ってはいないようです。
五分板の下は根太です。
一昔前の建物の根太間隔は現在の1.5倍ほど広い間隔です。
こちらも腐っていません。そしてその下は大引き。
こちらも腐っていないし、虫に食われてもいない様子。

良かった!

要するに畳があまりにヘタれていてダワダワする「感じ」がするということですね。
これなら畳を入れ替えるだけで済みそうです。
その他、本殿の板が外れているところも確認しました。

畳屋さんは氏子でもある月徳畳店さんにお願いしました。

元々社務所は独立して建っていたのに踏込室で住居部分と繋げてあるのでかなり形が歪んでしまっています。

畳屋さんはその間(部屋)の寸法を畳屋さんの測り方でサイズを測っていきます。
たった4枚。されど4枚。
歪んでしまった部屋にピッタリ畳が納まりました。
これぞ職人技。さすが、です。

そういえば、と思い出して先日の本山(大徳寺)参りをした時の疑問点を聞いてみました。
疑問点「大徳寺の畳のヘリ、あまり見たことのない柄だったのですが」
答え「紋ベリだよ。床の間で使うやつ」
あっという間に解決しました。

↑大徳寺に敷かれていた畳

 

今では床の間に使うヘリが、昔のお寺ではお部屋の畳のヘリに使われていたんですね。

なるほど。
大徳寺と塔頭をいくつかまわらせていただいたのですが、板の間(畳がしいていないだけ)と畳のしいてある部屋、一部屋の中でも畳が敷き詰められておらず、板が見える部屋とありました。
当時は畳に座れるのは身分が高かった人だけということだったんですよね。

大徳寺の各ご住職に「特別なヘリですか?」と尋ねましたが皆さん「?そんな特別なものではないですよ」というお返事でした。

なるほど、本山では部屋の畳に床の間用の紋縁を使うのが当たり前のことなんだな~。
文化の違いを感じた今日この頃でした。

畳の知識としてはもうひとつ。
「畳一畳」と言っても寸法がまちまちなのは皆さんご存知ではないでしょうか?

一番大きいサイズの畳は『京間』で、一般的に西日本エリア(関西、中国、四国、九州)で使用されています。
それより少し小さいのが『中京間』で、主に愛知・岐阜・三重で多く見られます。
さらに小さいのが『江戸間』。北海道から関東エリアまでの東日本エリアの大部分を占めています
そしてそして『団地間』というのもあります。

だから関西の人間が関東のアパートで「8帖」と表記されている部屋もなんだか狭く感じるんですね。
不動産屋のトリックです。
ちなみに
京間 (畳/縦 191.0cm× 横 95.5cm)×6帖=10.9443平米
中京間 (畳/縦 182.0cm× 横 91.0cm )×6帖=9.9372平米
江戸間(畳/縦 176.0cm× 横 87.8cm)×6帖=9.2716平米
団地間(畳/縦 170.0cm× 横 85.0cm)×6帖=8.67平米
ということなので京間と江戸間で1割違います。

 

さらに言えば、6帖の部屋でも畳の大きさは1枚づつ違います。
畳職人さんがその部屋にピッタリ合う寸法でこしらえてくれるのです。
だから畳を全部はがす場合は注意が必要です。
パズルのように元に戻らなくなってしまうんですよ。

日本人にとって温かみの象徴でもある和室、そして畳。
最近では畳のない家が増えています。

確かに現代日本人の生活はフローリングをロボット掃除機が走り回る方が便利かもしれません。
しかし和室のゴロンとできる感じ。子どもが転んでも全く問題ない感じ。
とても良いです。畳の部屋。
置き畳でも良いかもしれません!ホームセンターにも売っています。
貴方専用の畳が欲しくなったら畳屋さんに。

長くなりました。
畳のお話でした。

クロス再生

 

 

今日は新技術を見学してきました!
その技術とは「クロス再生」です。
クロス、とは部屋にはるいわゆる壁紙です。
最も使用される内装材のひとつですね。

このクロス、一度張ると次に張り替えるのは何年後でしょうか?
工事する機会でもないと10年、いや15年後とかだと思います。

これを張り替えずに洗浄して再生する技術が「クロス再生」です。
ハウスクリーニングとは洗浄方法が違います。
アルカリの汚れを酸性の洗剤で洗浄して、またアルカリで中和するそうです。

これまではハウスクリーニングで洗浄するとクロスをダメにすることが多かった。
この新技術はかなり画期的です!

日高の青年部の仲間でもある「吉谷建築」さんの見学会が城崎で開催されるというので行ってきました!


開催店舗は「book store IChi」さん(旧ドリカフェ)です。
タバコのヤニ汚れがすごい・・・

特殊な洗剤を塗布して

ふき取って

あとは中和。

とてもシンプルな作業ですが効果は絶大!

今後は弊社でも案件に応じて是非採用したいと思う新技術でした!

 

また、「book store IChi」さんは本屋さん(カフェ併設)で来週オープンされるそうです。オーナーの西垣さんは紆余曲折(?)を経て夢だった書店をオープンされるのですが、イベント等で良く見かけるたこ焼き「翁」さんもされている異色の経歴の持ち主です。

温泉寺の参道にまた楽しいお店ができますね。

クロス再生にご興味ある方は直接お聞きになっても良いですし、私からご紹介もさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください!