秋祭りの季節です!

この時期はどこの地域も秋祭りだと思います。
城崎温泉も毎年10月14日の宵宮に10月15日の本宮。
温泉街はお祭り独特の空気に包まれます。

旦那衆は旅館を飛び出してお祭りに参加。

飲食店はほぼ全て休憩所へと変貌を遂げます。

観光地、温泉地としてはあり得ないほど観光客をほったらかしの秋祭りです。

 

 

簡単にご紹介します。

まずは構成。
温泉街の中央にある四所神社のお祭りです。
お神輿が四所神社より巡幸(じゅんこう)します。

↑お神輿さん

城崎温泉を流れる小川、大谿川(おおたにがわ)の四所神社より上流を上部(上部)、中流を中部(なかぶ)、下流を下 部(しもぶ)に分けて、上部は神輿台(みこしだい:通称どでん)という山車を、中下部はだんじりでせり合います。

↑神輿台

せり合いは狭い温泉街の中の橋の上!

薬師橋、まんだら橋、玉橋、地蔵湯橋。

橋の上と決まっています。

神輿、台、だんじりの運行は実は非常に上手くできています。

↑だんじり

 

私は祖父も父も中部。生まれ育ったのも中部地域。
生粋の中部人間です。

各部には各部ごとに役割があります。
(かなり概略です)

大警護 ・・・ だんじりに乗る偉い人
警護頭 ・・・ だんじり、周辺警備の責任者
警護  ・・・ だんじり、周辺警備
助頭  ・・・ だんじりの舵きり役の責任者
助   ・・・ だんじりの舵きり役
若助  ・・・ だんじりの舵きり役
後見  ・・・ 執頭の後見役
執頭  ・・・ 秋祭りを取り仕切る若きリーダー
若頭  ・・・ 若衆の取りまとめ役
若衆  ・・・ だんじりの原動力
小若  ・・・ 初めて大人のだんじりに参加する世代

中部ではおおまかに上記の通り。
上部にも下部にも近い組織があります。

役目の中で年代が近い仲間で組むのが「連中」です。要するに祭りの最小単位であり、チームのことです。

↑連中です。

中々集合写真を撮る機会がないので10年くらい前の写真です


私は「中部 助 久保田連中」に所属しています。
私の学年、1つ上の学年、2つ上の学年の3学年で13人の連中です。
中学1年生の頃の先輩方とタメ口で仲間をしているのが感慨深くもあります。笑

連中は冠婚葬祭を共にし、正に一生をかけての仲間です。
ずーっと世話になってきたし、これからもずーっと一緒に笑い合っていたい。
そんな仲間です。

 

長い歴史のある城崎の秋祭りですが、城崎にも少子化の波がきています。
だんじりを動かす原動力である若い子が少なくなりました。
お祭りに興味がない子が増えました。
働き方が多様化して、自営業の子が減りました。

城崎から都会に住む子が増えました。

 

正直、秋祭り存続の危機です。
そのくせ、偉そうにふんぞり返っているおっさん連中はたくさんいます。
(悲しいかな、我々もそっちの部類かもしれません)

 

私は城崎に生まれ育ち、父が祭りをしていることを誇りに思っていましたし、父の部に入って秋祭りをすることを疑ったこともありませんでした。
大変なこと、理不尽なこともたくさんありました。

しかし自営業では学べないことをたくさん学ばせてもらいました。

中部に限らず、たくさんの先輩諸兄と知り合うことができましたし、その後語らう機会を設けてもらえたり、町の会議やイベントを協力して運営することにも潤滑油となってくれました。

当日はもちろん、たくさんの恵のある、大好きな秋祭りです。

 

 

そんな私は、生え抜きの中部人ですが、個人的には中部のエゴを今後通していく気はありません。

若い人の意見を聞き、尊重したいと思います。

今の執頭さん達の世代は我々までの世代とは違って、町外に勤めるサラリーマンが主体なのに、祭り前1ヶ月は毎晩、本当に休むことなく毎晩集まって準備をし、土曜日曜は作業をして。
祭りで所属する部の上の人と知り合っても我々自営業とちがって、なかなか生かせる場も少ないと思います。
いかなるモチベーションで今の秋祭りを支えてくれているのか、正直わかりません。

不思議です。

私から見てもあまりにメリットが少なくデメリットが多く見えます。もちろん打算が全てではありません。それは当たり前です。しかし、それにしても彼らが一生懸命秋祭りに携わってくれる理由がわからないのです。

きっと、純粋に城崎の秋祭りを好きなんだろうと思います。いや、そう信じないと辻褄が合いません。笑

 

その子らが、一生懸命考えたのならば、やりたいように、それが実現できるように寄り添い、ガイドすることこそが(ちょっと若い)おっさんである我々の役目なのかなと思っています。

個人的には

「伝統を万が一損なうようなことがあっても」

秋祭りは

「存続することが第一」

だと思っています。

 

秋祭りはあくまでも城崎温泉のこれからの発展を願う氏神様のお祭りであって、伝統と因習を混同したおじさん達の勝手なエゴで残していくものではありません。

 

むしろ、今の若い子がやりたい祭り、実現可能な祭りとその仕組み作りこそが肝要です。

なぜなら今の若い子らのその先には、私の子どもの世代、更にその先には孫の世代があるからです。

 

暴論ですが、いざとなればエンジンやむなし!拡声器やむなし!GPSやむなし!だと思っています。笑
そこまではさすがに冗談としても、しょうもないおじさん達のエゴによって、潰えるよりも遥かにマシです。どんな形態の変化があるとしても残すことこそが伝統・文化・風習です。

 

 

そんなことをこの数年考えています。

しかしながら、そう思いながらとはいえ。

とりあえずは今年の秋祭りを楽しみたいと思います!

秋祭り当日が楽しいのは当たり前!

毎年、リアルタイムの熱いドラマが狭い温泉街に展開されます!

そして、若い子達が一生懸命頑張る姿を見るだけで目頭が熱くなります。

完全におっさんの証拠です。笑

 

 

※この記事はあくまでも個人の意見です。

我が連中の意見ではありませんし、もちろん中部の意見ではありません。

クレームがありましたら個人的にお願いします^ ^