やはり機械は偉大!そして産業廃棄物のお話

さて遊具の発注が済んで2ヶ月。
ようやく納期も出たので現地の公園で解体作業が始まりました。
正直、人力でも解体できないものではないのですが、機械にて遊具を解体します。

 

やはり機械は偉大!

あっという間に遊具を解体し、基礎のコンクリートを砕きます。
重機を持ってくる、作業する、返す、だけでも意外とお金がかかります。
それでも人力よりも遥かに早いのは魅力です。
公園ですし、事故にだけは細心の注意を払います。

↑このコンクリート基礎で約950kgあります!

 

こうして基礎を撤去したら埋め戻し。
綺麗な柾土を入れておきます。

来週はいよいよ遊具の設置です!

さて、もうひとつ、産業廃棄物のお話。

昔は害のなさそうな物は簡単に処分できました。
しかし時代が変わり、今はそうはいきません。
産業廃棄物はキチンと処分しなければなりません。

当たり前の話、ですがちゃんと法整備されだしたのは20年くらい前でしょうか。
いきなり不法投棄の罰金が1億円になったんです!
とはいえ、それまでも不法投棄していたわけではありません。
当時は請求書の「処分費」の項目だけでもお客様も不満そうでした。
タダ同然だった処分費がかなり高くなってしまいました。

しかし、それも環境のため。仕方ありません。
さて産廃の処理はどうされているかご存知ですか?

我々が産業廃棄物を処理する時は、いわゆる普通の工事(民間工事)の場合は国の認めた廃棄物処理業者に持ち込む(取りにきてもらう)だけです。
品目(鉄、木、プラ、ボード、混廃、壁土、アスベスト・・・)ごとに目方(重量)や容積を量って処分してもらいます。
あくまでも産廃処理業者を信じて出します。

今回の市役所のような工事の場合は「マニュフェスト伝票」を使います。


この伝票に現場名や排出業者名を書いて出します。
この伝票はA~E票の複写になっていて、
排出事業者(谷口屋)
↓↓
収集運搬業者
↓↓
中間処理業者
↓↓
収集運搬業者
↓↓
最終処分業者

と産業廃棄物が誰が出して誰が運んで、一旦どこに集積して、また誰が運んで最終的にはどこに処分された、という履歴がわかるようになります。
そして最終処分されると、谷口屋工務店にA票が戻ってくる仕組みです。

一時はマニュフェストといえば政権公約の意味で使われることが多かったですね。
我々建設業者はマニュフェスト=産業廃棄物なので変な感じがしたことを思い出します。

少々面倒なこともありますが、やはりルールに則って作業するのは当たり前。
今回の解体業者さんが運んだ先は出石のecosさんで青年部の仲間の事業所でした!
こんなところにもご縁が!株式会社マツバラの道くん、早くA票戻してね!
市役所に出す書類に付けるから!

ベンチの座板を作ります。

さて遊具の設置をする公共工事をするのですが、その中にベンチの座板の交換があります。
唯一の大工の出番です。

古いベンチの座板は年数によってボロボロになっています。
これを交換していきます。

まずは桧の材料を削ります。寸法に合わせて木の曲がりを解消して製材です。


座った時、触った時に角がないように、面を取ります。
この道具、面を取る専用の鉋(カンナ)です。


色々な大工道具があります。
もちろん普通の鉋でも面を取ることはできますが、この道具を使えば16本、4台分の座板全てに同じ面を取ることができます。
大きめに面を取り、ペーパーをあててなめらかに仕上げます。

そして塗装。
屋外用の塗料を1回塗って乾かし、もう一度塗って仕上がりになります。

これで完成!
もう少し乾かして現地に設置します。

遊具のお話

昨年末に豊岡市の指名入札で落札した工事があります。
それは市内2箇所の市営住宅に設置されている遊具の入替や撤去の工事。

老朽化した遊具を撤去し、新しい遊具を設置します。
建築工事と言えるのか?
非常に微妙です。
ですが受注したのでちゃんと設置します。

現状を確認し、新しい遊具を発注。
遊具メーカーに話を聞くと、設置に伴う条件があります。
「保安距離」の規定です。
スベリ台だったら、○m以内に硬いもの(例えば電灯の柱であるとか)があってはならない、スベリ下りた場所が安全でなくてはならない等。

遊具には「保険」があるのです。
つまり設置するとメーカーと市に責任が発生するということなんですね。
「もしこの遊具で重大な怪我等が起こった場合」
の想定で、なくなった場合は最大5億円支払われるそうです。

だからこそ、設置の基準・ハードルが高い。
もちろん遊具本体も保険の分値段が高くなります。

今回2箇所の市営住宅ですが、入替もありますが、撤去する遊具もあります。
高い設置費使って訴えられるリスクなんて取りたくないですもんね。
そりゃあ豊岡市に限らず全国の自治体が遊具を設置したくない気持ちになると思います。

我々が子どもの頃、平成が始まる前後は城崎小学校には「裏山アスレチック」がありました。毎日昼休みに行っては駆け回ったのを思い出します。
確かに怪我をしたこともありました。
今思えば、骨折くらいしてもおかしくなかったかもしれません。
しかし楽しかった。本当に。

今はもう城崎小学校に裏山アスレチックはありません。
どこか、有料の施設でヘルメットをしないと遊べないんでしょうね。

時代の流れと言ってしまったらそれまでですが。
しかしもう少しおおらかなバランスを取って遊具が設置できないものかと思います。
しかし私も2児の父。
確かにどこかの遊具で娘が亡くなるようなことがあったら・・・
そう想像するとない方が良い気持ちになります。

そうして今の子どもは電子ゲームやYOUTUBEでしか遊ばなくなるんだろうな・・・。

工事を受注して、なんだか考えさせられました。

とはいえ、2箇所の市営住宅にキッチリ遊具設置していきたいと思います!