入札のお話

谷口屋工務店では豊岡市の公共工事に指名願いを出しています。

さて皆さんは「入札って何?」って思われているのではないでしょうか。

簡単に言うと。「公共工事を一番安く施工している会社を選ぶ」ということです。

例えば。
市営住宅に修繕等の必要が生じた場合、市役所が修繕の内容を設計します

指名競争入札願を出している会社から数社選ばれます

FAXが谷口屋に届くので設計図書・図面をもらいに市役所に行きます

約10日間で入札内容の見積りをします(途中質疑があればFAXを送ります)

入札当日を迎え、各社が希望する値段が書いた入札書を提出します

市役所の担当官が開封して予算に合えば一番値段の安かった業者が選べれます

落札者は契約・着工へ進みます

入札の流れはこんな感じ。

1回目の入札で市役所の予算より札の金額(各社の希望金額)がオーバーしていると2回目の入札を行います。
つまり業者はその場で自分の利益を減らして工事してもいいかを判断し札の金額を変えて提出します。実行予算、不確定要素の確立、金額。書類作成の経費。

何をどこまで削減してまで、工事をする意味はあるのか、儲けはあるのか。

瞬時の判断。手が震えます。

 

そうして入札をしても2回目でも市役所の予算をオーバーしてどこも落札しなかった場合は「入札が流れ」ます。
設計はそのままで業者を全部入れ替えて入札をやり直すか、設計を変更して同じ業者で再度の入札を行います。

こうして市役所は工事を発注しているんですね。
これは建築に限らず、電気設備や土木、教育なども同じだと思います。

豊岡市の入札には「最低落札制限価格」というものが設定されています。
これは安すぎたら失格!してしまうという制度。
例えば。

市の予算が100万円の工事があったとします。最低落札制限価格が80万円に設定されていたとしたら。

・110万円の札→落札できません(予算超過)
・90万円の札→落札できます
・79万円の札→失格
こういうことです。
市民の皆さんからすれば税金で行う公共工事。安い方が良いに決まっているのになんで失格にするんだ!って思いますよね?

これは不当に安い金額で受注されることを防止すると共に中小企業を守る意味合いがあると思います。

後は「安く落札してあとで増額を狙う業者の防止」もあると思います。
工事でどんなに緻密な設計がされていてもどうしても不確定要素があったりします。
それにいちゃもんを付けてあとから増額する業者もいないとは言えません。

バブルの頃は、1円入札が流行った、なんて話も聞きます。
これは1億円の物件でも、1円で工事して役所とのパイプを作るために行われていたそうです。そうやって官製談合に持ち込んでいたとか。今や、大昔の話です。

こんな感じで入札が行われます。
先日弊社では内島(城崎町内)の市営住宅の修繕工事の入札を落札しました。

実は入札というのはいつ、入札があるかは事前にはわかりません。
いきなりFAXが事務所に届きます。

入札に指名されたら忙しかろうが暇だろうが、見積もりを10日ほどでしなくてはなりません。(もちろん指名して欲しいので毎年指名願いを出しています)
仕事が取れるかどうかはもちろん入札次第。

準備して臨むのですが、その日、その場まではどうなるかわかりません。

その場で会社の売上げが何百万も変わってきます。

職人を工期内に終了できるように集めるのも仕事が取れてから。
毎回毎回、緊張して入札に臨みます。
あまり心臓には良い制度ではありません。笑