コンクリートは魔法の材料

今日はコンクリートのお話をしてみようと思います。
谷口屋工務店では住宅基礎程度にしか使わないコンクリート。
鉄筋コンクリートの建物もたくさんありますね。

何がすごいって、「形が自由自在」になります。
もちろん木材も削れば好きな形に成型できますが、コンクリートは型に入れると、その形に硬化してくれます。

まずはコンクリートは何からできているかご存知ですか?

水+セメント=セメントペースト

セメントペースト+砂=モルタル

モルタル+砂利=コンクリート

つまりコンクリートは
セメント+水+砂+砂利でできています。

硬さ(コンクリート強度)も自由に変えられます。
注文するときは「24-18-20のNでお願いします」という感じ。
24N(ニュートン)の硬さで、スランプ(柔らかさ)18cmの細骨材の最大寸法が20mmで普通コンクリートという意味です。

24Nとは、1㎡(1m×1m)の広さに2400トンの重量が乗っても大丈夫という意味です。
畳半分くらいに70kgの成人男性3万4285人乗るようなもの。
100人乗っても大丈夫、の某物置なんてものではありません。
鉄筋コンクリートの建物なら上階の重量を、木造基礎ならは構造を含めた全重量(家具・住人含めて)を支えるための強度ということになるんですね。

もうひとつマメ知識。
「生コンクリート」って言いますよね。
なぜ「生」なのか。
それは、コンクリートは材料を混ぜた瞬間から固まりだすのです。
だから運搬もミキサー車で常に混ぜかしながら運ぶしかありません。
「練り混ぜてから打ち込みの終了するまでの時間は、原則として外気温が25℃を超えるときは1.5時間、25℃以下の時で2時間を超えてはならない」
こういう決まりがあります。
ポンプ車で打設するのに15分しかかからないとしても、運搬に使える時間は1時間ほどしかないんです。
つまりコンクリート工場の30~45km以内の現場にしか使えないんです。
都会は道路も込むし、もっと短い距離になることでしょうね。

ですからコンクリート工場は点在しているんです。

ちょっと隣の県からまわしてもらって・・・なんてことはできないんですよね。

 

 

 

あまり専門的になってしまうので難しい話はこの程度にします。

寒い時は強度を増したり、冬季は早く固まるコンクリートにしたり。
現場に合わせて選択します。
打設(流し込むこと)から4週間後に予定の強度を出して、その後4年以上かけて徐々に強度を増していきます。

コンクリートはアルカリの性質を持っています。
打設後は空気中の酸素に暴露(さらされることにより)することにより徐々に中性化していくことにより鉄筋が錆びると強度を失っていきます。
鉄筋コンクリートの寿命が50年と言われる所以です。
今では塗装・塗膜やガラス結晶化させて寿命を延ばす工法もあります。

コンクリートは奇跡の材料。
そして大学生だった頃に感動したコンクリートの魔術師といえばやはり日本一の建築家、安藤忠雄さんですね。
コンクリート打ちっぱなしの理路整然とした無骨さの中に洗練されたフォルム。
(もちろん安藤さんは木を使った設計もすごいんですけど。木の殿堂も安藤さん設計です)
大阪茨木の光の教会を1人で見に行ったのを思い出します。

今年は城崎温泉開湯1300年ということの中で4月26日に安藤忠雄さんのトークショーが城崎国際アートセンターであります。今から楽しみです!