「建設業」と一言でよく言います。
「土建屋」とも。
日本最大手のスーパーゼネンコンも、1人親方の大工も建設業。
設計事務所も、砕石屋さんも建設業。
これほど振り幅のある業種は少ないと思います。
弊社谷口屋工務店はもちろん建設業。
その中でも総合請負業(以前の投稿にも書きました)。
メインは施工です。
もちろん設計もします。
見積もりもします。
でもメインは施工。
施工とは?
「形にすること」です。
実際に作るということですね。
じゃあ設計事務所は?
デザインするということ。描くということ。
誤解を恐れずに書くならば、作り方は二の次です。
夢が詰まっています。
お客さんの想いを描くということ。
でもそれをカタチにするのは設計事務所の仕事ではありません。
それが我々、施工屋の仕事です。
(誤解を恐れず書いた部分、終わり)
デザインの意味と意義を読み取って、実際どうしたら作れるのかを考え、実際にひとつひとつ作り上げていきます。その現場を「納めて」いくのです。
デザインをカタチに。
それはお施主さんの想いを設計士さんが描いて、それをカタチにする作業です。
先日、城崎温泉の外湯で不具合がありました。
お風呂の内部に大きな木造の梁がかかっているのですが、そこに不具合があったとのこと。
確かに湯気がこもる場所に木材なんて・・・
湯船の中に扉(引き戸)なんて・・・
施工屋には思いつきません。
施工屋は常にメンテナンスのことを考えるからです。
御所の湯ができて何年?15年くらいでしょうか。
今回の不具合は適正な期間でおきたのか、早すぎるのか、良く持った方なのか。
それは受け取る人によってまちまちでしょう。
私は谷口屋工務店でたくさんの設計士さんと仕事をしてきました。
確かに設計士案件は大変です。正直利益も薄い。
しかしとても勉強になります。
私だったら、メンテナンス性、施工性を優先してしまうのでどうしても無難な方、無難な方へ設計が寄っていきます。予算も設計段階から頭の中をウロウロしています。
しかし設計士さんはやはり違います。
え!?そんなことするの?
ほんまにええの?
格好エエけど・・・
そう思うこともあります。
もちろん、良く考えられています。
練りに練られています。
おそらく一番考えられていること、それは
「攻めのデザインとメンテナンスのバランス」
です。
メンテナンスフリーが良いというお客さんもいらっしゃるでしょう。
1年に1度のメンテナンスはかまわない、そういう方もいらっしゃるでしょう。
いやいや、建物の為に1ヶ月に1回、簡単なメンテナンスならいいよ、そういう方もいらっしゃるでしょう。
初めて御所の湯に入ったとき、私は驚きました。
浴室内の大きな木製の梁。
湯船の中の引き戸。
圧巻でした。感動しました。
そんな感動をした人が年間何人いて、不具合で休湯するまでにどれほどいたことでしょう?
修繕にいくらかかるのか、どのくらいの期間かかるのかは知りませんが。
(ただ、この盆前のタイミングは残念としか言いようがありませんでした)
確かに。
施工者もデザイン力があるに越したことはない。
設計士さんも施工方法を熟知しているに越したことはない。
とはいえ、やはり餅は餅屋なんだと思います。
施工・設計それぞれ専門分野の中でも本当に振り幅が大きい。
それが建設業。
まずは自分の専門知識を拡充し続けたい。
そして、設計士さんのデザインを解読する能力をより身につけたい。
そう思って頑張ります!
余談
先日、城崎泉隊オンセンジャー終わりでビールをクイっとやっておりました。
「谷口屋工務店のブログ読んどるで!おもろいわ!」
と声をかけてくださった先輩がいらっしゃいました。
おもろいかどうかわからぬまま綴るこの文章が、届いている人がいる。
そう思うだけで小躍りしたくなります!
読んで下さっている方々、ありがとうございます!m(__)m!