木造メインの工務店では珍しい工事をしました。
それは「ケミカルアンカー」の施工です。
これは何か?といいますと、「既存のコンクリートと新設のコンクリートを緊結させるもの」というところでしょうか。
それも打込むだけのタイプの金属アンカーと、接着式のケミカルアンカーがあります。
UTSUROI工事では近畿大学の構造設計の阿波野先生に構造計算をお願いしています。
構造計算で補強するべき壁、新設すべき壁、打ち増す壁、打ち増す梁が決定しました。
そこに配筋してコンクリートを打設するだけでは既存コンクリートと新設コンクリートが一体化しません。
なのでアンカーを施工していきます。
今回は協議の上、ケミカルアンカーを施工することになりました。
理由は2点。ケミカルアンカーの方が金属アンカーよりも耐力(引き抜けにくい度合い)が3倍あることと、後打ちコンクリートの隙間ができた場合腐食を防ぐという狙いです。
仕様するアンカーはガラス瓶に入ったタイプを採用しました。
これはガラス管の中に接着剤と硬化剤(白い部分)が交互に連なっています。
これを鉄筋を差し込む際に混ぜ合わせて硬化して接着することになります。
まずは墨だしです。
増し打ちコンクリートの型枠の墨とアンカーの墨を出します。
そして穴あけ。
今回は140mmの深さの穴を開けていきます。
穴の中のコンクリート粉をブロアで吹き飛ばします。
そしてワイヤーブラシで穴咥内をかきだします。
そしてブロアーで粉を吹き飛ばす。
これが粉が出なくなるまで繰り返します。
そしてケミカルの挿入。
穴にガラス管を挿入します。
そして鉄筋を回しながら挿入します。
接着剤と硬化剤が穴内で混ざって固まります。
これが一連の作業です。
今回の現場ではこれを実に300箇所以上(!)施工します。
構造躯体(くたい)にとってはとても大切な作業。
そして配筋→型枠→コンクリート打設に進みます。
躯体の耐震補強工事は続きます!