建築の道具、工法は本当に日進月歩で進化しています。
先日、年配のお客さんが大工の作業を見て一言。
「最近はそんなことができるん?へぇ~ほぉ~!」
これはレーザーレベルが水平を出している場面でした。
「レベル」とは水平のこと。
建物を建てる、部屋を作る・直すためには絶対的に必要なこと。
高さの基準を絶対的なものにする道具がレベルです。
このレーザーレベル、一瞬で建築現場を席巻しました。
一昔前は、目で覗く水平レベルを使っていました。
これは今でも屋外であったり、広い場所では使います。
↑水平レベル
城崎温泉のイベント等でステージを設営する時に使います。
周りのみんなは「何が見えるの?」
といいますが、全く水平しか診ることができません(笑)
もっと昔、私が就業する以前は「水盛り」でした。
これは建築現場の水平を見るために、ホースに水を入れてあっちとこっちの水面が並行であることを利用して現場全体に同じ高さの基準を出すことです。
↑水盛り
そして今はレーザーでズバっと水平を照らしてくれます。
本当に画期的。
水平を出す作業の時間がぐっと短く、正確になりました。
私が大学生の時。
水平レベルやトランシットという現場の基準を出す作業の練習はしたことがあります。
何分以内に設置できるように・・・と。
しかし正直レーザーは見たことなかったんですよね。
そしてゼネコンに入社。新人の現場監督になりました。
杭打って、基礎工事して、躯体(コンクリート工事)して・・・
いよいよ内装工事という時に、先輩の現場監督、岩崎主任がこういいました。
「おい六浦、あのレーザー、ほんまに便利だけどめちゃくちゃ身体に悪いから絶対触るなよ。3回当たったら死ぬらしいで」
それからというもの、作業中の現場室内に入る時には細心の注意を払いました!まだ死にたくないと!
当時はまだ水平1本しか出ないものが主流で電池もすぐ切れるので注意すれば避けられたんです。
※今のレーザーは水平垂直。直上直下も出ますし、30分くらいもつので避けるのは至難の業です
職人さんにも変に思われるくらいよけによけてたんです。
そうして1ヶ月ほど経ったある日。
岩崎主任と一緒に作業していると、レーザーの光に当たっているのです!
「主任!危ない!!」
そう声をかけた私に「あほ。あれは嘘に決まってる」
ガーン。
本当にショックを受けた出来事でした。
今なら、絶対に信じません。
でも当時は本当にレーザーに当たったらあかんもんだと思っていたんです。
なんて純粋だったことでしょうか(笑)
建物には基準が本当に大事。
そんなお話でした。
建築の道具には古くから使われているもの、最新の工具まで幅広くあります。
時代に合わせて取捨選択が必要ですね。
また工具の紹介もしていきたいと思います!