閑話休題が続きました。
久しぶりに現場に戻っていきましょう。
現場の方では基礎工事が終わりました。
前回の記事より立ち上がりも基礎作成。
レベラーモルタルで水平を出して基礎は完成です。
その次は外部足場を設置します。
建て方に先立って足場を組むので先行足場といいます。
今回の建物には吹き抜け部分もあるので内部には「ローリングタワー」も設置。
ローリングタワーは足場の最下部がタイヤになっているので動かしながら作業ができます。
木造建築の花形作業は何と言っても「建て方、上棟」です。
これは柱、梁、屋根まで架ける構造躯体(こうぞうくたい)の組立て作業になります。
昔はひとつひとつの仕口(しぐち)の加工を大工が手作業で行っていました。
それが今はプレカットで行います。
プレカットとは機械で仕口を事前に(プレ)加工(カット)するという意味です。
大工の墨付け・加工の手間が省けますが、その分綿密な打ち合わせが必要になります。
また、墨付けを大工ができないようになると技術が落ちてしまいます。
全てを機械頼りにならぬよう、現場と作業の規模に応じて谷口屋工務店では手法をわけています。
で、今回のプレカット。
斜めの建物、屋根も斜め、梁も登り梁です(通常は水平に架けます)。
設計の垣田先生にも加わって頂き、綿密に打ち合わせを行いました。
途中から頭がクラクラするほど濃密な打合せ。
そしてプレカットの技術の進歩も実感しました。
以前はできなかった斜め加工も最新の機械で可能になっています。
機械で出来ない部分はプレカット工場で大工が加工するのですが、それも無く機械で加工できたようです。
今回の建物の加工がプレカットできるなら、ほぼ全ての木造建築の加工ができると実感しました。
とても良い経験になりました。
金物も到着。
玄関ポーチの柱を受ける金物です。
こちらも設計士さんこだわりの金物。
通常のものよりシュっとしています。
こんな形状の金物があるとは知りませんでした。
こちらも勉強になります。(少し値は張りますw)
さて、現場の方は建て方を明日に控えて、土台の設置作業です。
大工が墨に沿って土台を1本1本設置していきます。
土台は上屋と基礎が一体となるように基礎コンクリートに埋め込んだアンカーボルトで緊結していきます。
土台がピンクがかっているのは防虫防腐剤を塗布しています。
周りの土の高さより1mの高さまで道中防腐剤を塗っていきます。
とりあえず1回目。上棟したらもう一度塗ることにします。
この作業はほとんどの現場で毎回、私の仕事にしています。
上棟前、上棟後に心を込めて塗ります。
少しでも長持ちして欲しい、お施主さんの生活を支える部分であるという気持ちを込めて塗ることにしています。
私は大工作業はお手伝い程度しかしない(できない)ので、できる作業はなるべくしたい(したがり)んですよね。
防虫防腐剤を土台に塗ったらいよいよ次の作業は、建て方です!
建て方は上棟(じょうとう)、つまり棟を上げる作業までを目標とします。
今回のお施主さんは六曜など気になさらないとはお聞きしてはいるのですが、悪い日にならぬよう、また事故を起こさぬように中止しながら1日で上棟したいと思います!
(ちなみに友引の日に上棟しました)